現在クラで滞在中のアーティストKristine Marxのアトリエにてインタビューを行いました。
どうして、日本で制作しようと思ったのですか?
以前、2回日本(東京、京都)来たことがあり、日本の伝統や文化に興味があったの。
糸島での制作は東京や京都とは違いましたか?
言葉が喋れないので、地元の方々と話がなかなかできなくて、単純に比較はできないけれど、
ここは時間もゆっくり流れているし(ヒロをのぞいて!)、静かな気持ちで、じっくり遣りたかった実験に取り掛かれたわ。
気晴らしには、走りにいったり、自転車で出かけたり、温泉にいったりと楽しむことができました。
今回の滞在制作中、あなたの絵には日本の室内や、景色が作品の要素にでてきますね。
浮世絵に興味をもち、今回多くの作品に影響を与えています。
例えば、浮世絵の障子のライン構造を取り入れたり、俯いて床を見ている女性を取り入れてみたり。
日本的な内容の風景や木を描きいた絵もありました。
ヨーロッパの風景のようなものも見えますね。これは何を描かれたのですか?
ヨーロッパのイメージは、20世紀の中頃の映画からとってきたものなので、建物や車なども古く描かれています。なぜその時代を選んだかというと、戦後の寒々しい感じ、単一化、個人が感情を出さない時代の背景があったためです。でも、実際はまだ模索中の所もあります。
映画の一コマから選んだ画像を絵にするという作業はとても気に入っています。最近は、映像を撮ることが多く、映像に何かを載せることがとても好きでした。今回は、その映像を絵として、重ねているところがとても気に入っています。
また、今回の作品には多くの縁を描いています。今回住んでいる部屋もそうですが、畳、障子、家具をみてみても、縁が多いものが多く、それに影響を受けました。それで、今回の作品には、多くの縁を使用しています。
また、風景の絵に関しては、浮世絵に描かれている山や木の雰囲気を使用し、ヨーロッパ風の絵と重ね描く作品を作っています。
浮世絵に描かれている風景はとても興味深く、ヨーロッパのスタイルとは異なっています。
例えば、絵の上に描かれている濃い青は、デザイン性を強く感じます。また、枝をきって、形どられた木は、とても興味深いものがあり、ヨーロッパの絵にはない風景です。
部屋には地元の農家さんから頂いた着物が飾ってあった。インスピレーションを 得るためアトリエに飾ってありました。
奥行きのあるヨーロッパのスタイルと、平面的な日本のスタイルと、とても違うスタイルを重ねて表現することに興味をもち、今回の作品作りを進めてきました。
また、実験的な作品も多いので、どのように、これらの全く違うスタイルの絵を重ねるかなど様々な挑戦をしました。
今回の作品は、すべて紙に描きました。紙に描くとよいのは、早く描けることです。色々な実験ができて、結果がすぐ見れるのでこのやり方をとても気に入っています。
色に関していうと、1950〜60年代のアメリカで多く使用されていた絵を使用しました。
このアトリエには白、黒+三色しかないのですが、全部これを混ぜて描かれたのですか!?
これらの絵の色は、5色の絵の具がらすべて自分で作った色です。
すごい!すごくカラフルでたくさんの色を使われているかと思いました。
この異なる2つのパースペクティブを重ねるシリーズは帰国後も続けていかれますか?
はい、これから、ニューヨークに帰った後も、この作品達からさらに作品を広げたいとおもっています。
大きい絵にして、描いてみたり、発展させていきたいです。
Kristine Marx個展「Interior Scenes」
3月8日(土)11時〜19時
オープニングパーティー: 3月8日(土)17時より行います。
“Kristine Marxインタビュー” への1件のフィードバック